私の新人時代~大阪編~(12)

2回目の査定面談も散々な結果だったが、ボーナスの額はまずまずだった。

当時の会社は、ボーナスは年2回。1回のボーナスは、月給×2か月分が、基本で、そこに説明会担当なり、わかりやすい実績を残すと、さらに金額がONされる仕組みだった。説明会で平均的な成績を残せば目安が+10万円だろうか?最高に頑張れば+30万くらいはいけるらしい。

1回目の説明会担当結果は、2か月分+15万円くらいだったろうか?多いか少ないかで言うと、年間換算で8000万円くらいは売上げてるし、激しいプレッシャーと莫大な労働時間をかけているので、私は安いと思う。ただ、家族もいない独身者にとっては、十分すぎる額ではあった。

さいころは、テレビチャンピオンの優勝賞金が50万円だったり、ウンナン炎のチャレンジャーの成功賞金が100万円なのを見て、50万円ってすごいお金なんだ。と、思ったりしていたが、大人になると、なんてことない身近な金額だな。と、思うようになっていた。

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この莫大な金額を何に使うかというと、思ったよりあっという間になくなった。

ベンチャー系の企業や伸び盛りの企業は、よく働き・よく遊べ的な文化を併せ持つことが、多く、また女性が多く在籍している業界だと、美食系の飲み会での散財がひどかった。本社が梅田にあったので、月に1回くらいのペースで、社員のお誕生日おめでとう会などが行われていた。

主に茶屋町を中心に、モンスーンカフェやラボエムなどが好みで、食事をそこそこすれば、7000~10000円くらいかかるちょっとおしゃれなイタリアンなどのお店だ。

さらにそこで1回にワインを5~6本開けることは、ざらで、さらに2次会・3次会へ行くと、財布と体と心が死ぬ。

私はその時は同席していなかったが、ある日のボーナスには、シャンパンタワーをして一日で20万使ったなんて話も聞いた。(どこの店だよと思うが)

私がお酒好きで、がばがばワインを飲むのであれば、別に散財も構わないのだが、お酒の弱い私はたいして飲めないので、ワリカンはちょっとずるいなー。と、思ったりしていた。

しかも、さらに腹立つのが、他の社員は、夜シフトが多いのに、朝シフトの私からすると、ほぼ徹夜で行くことになることだ。

まぁ、普通だったら怒られるような、明らかな二日酔いを、必死に隠しながら勤務しても、そもそも飲むようにけしかけた校長もまた、同じくらいの年齢だったので、なんでもありのゆるゆる感が実に楽しかった。

それにしてもひとつ謎なのが、男性に負けじと働く女性は、やけに酒が強いのは、気のせいだろうか?

本質的にお酒が好きなのかもしれないし、男性社会になじめるように酒豪キャラを演じてるのかもしれないし、酒でも飲まないとやってられない仕事だったのかもしれない。

私は幸い、メイド喫茶という、別の居場所を見つけていたが、そうではない女性社員などは、何にそのストレスをぶつけたらいいかわからないように見えるときもあり、女性が活躍社会も大事だけど、それもまた大変な世の中だな。と、思っていた。

個人的な夏のボーナスの使い道は、初めて飛行機に乗って、沖縄に行ってみた。青春18切符で北海道以外はすべてめぐっていたため、これで、日本のほぼすべてを制覇したことになったのが、ちょっと達成感があって嬉しかった。

激動の春の繁忙期から夏休みの充電期間を取り、いよいよ受験生にとっては肝心の秋の季節が始まっていく。

そして、ローズにとっても運命の出会いとなる、てんちょ~との出会いがすぐそこに迫っていた。