私の新人時代(13)

初めての転職活動は、「わからない」だらけだった。そもそもまともに新卒での就職活動をしたことがなかったので、自己分析も企業研究もわからない。

とりあえず「次は民間に」くらいの低い志で転職を決めてしまったのだから今思えば救いようがない。

1回目の転職に使用したのは、主にリクナビネクストの「媒体」広告だった。今は、マイナビ・インテリジェンス・エンの4強になっているが当時はまだまだリクルート一強時代だった。

転職には色々な方法がある。一番メジャーなハローワークだが、「なんとなくなイメージ」で、ハロワはろくな求人が無いと思い込み手を出さなかった。

次に、当時はまだまだメジャーではなかったが、真っ当な?転職先を探すには、「紹介」という手法がある。

基本的に企業の中途募集の情報は、公には出てこない。理由は、メジャーな企業が募集をしてしまうと、尋常じゃない応募が来てさばききれない。と、いう問題と、場合によっては中途の募集状況・内容でその企業の次の一手がわかってしまう可能性があるからだ。

その分、市場には公開されないようなレアなポジション・求人が多く、今の自分よりも好待遇な場合が多い。転職エージェントが個別に丁寧にサポートをしてくれるし、実力がある人向けの転職方法だ。今思えば、転職エージェントを使っておけば、人生がまったく違ったものであったな。とも、思う。

ハロワと紹介の真ん中、くらいのイメージが「媒体」だ。ハロワのような小規模の企業ではなく、ある程度名が通っており、金銭に余裕があり、中長期計画に増収増益を掲げるような企業が多いだろうか?もしくは、新たに生まれた新規サービスの拡大なども考えられる。(※今ではメジャーになった東進の映像授業など)

まぁ、今となってはよくわかるが、基本媒体に掲載されている企業も、あまりろくな企業は無い。「名前の認知度は高い」が、それは、広告にお金をつぎ込みまくっているだけで、中身が無いサービスの場合が多いからだ。

また、特殊な技能を必要としないケースの「職種」が多い。研究職の仕事はもちろん、経理・人事・総務などの募集はレアで、ほとんどが営業職になるだろうか?(IT系は、頭を使わないサーバー運用とかweb店舗運営とか)

募集される業界もコンビニ・小売り・販売・不動産・教育・保険・飲食・IT系などが、広告の大半を占めるだろう。いわゆる「ブラック」と呼ばれるもものだ。よくよく広告を見れば、いつも同じような企業が同じような募集をしていることに気付くはずだ。つまり、それだけ人が入り、人が辞めていくのだろう。

皆が知っている。は、すなわち、それだけ激戦区のサービスなのだ。

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その中で、私は教育系の仕事を基本軸とした。理由は「なんとなく」だ。あえて言えば、顧客と直接対話できることと、自身の勉強のキャリアを活かせるからだろうか?

それなりの学歴も持っているし、教えるのも苦手でないローズは、それなりに転職に自信を持っていた。

・・・が、しかし結果は3戦全敗だった。

ある意味、これが初めての転職活動だったが、予想外の展開にかなりショックを受けた。

なぜなら、3戦のうち、ひとつは、書類選考ですら落ちていたからだ。一応年齢も25歳で、国立理系出身の人間を教育業界で不採用にするのは、今となってもありえない。

それだけ、その当時はフリーター的な人間が多かった。と、いうのと、それだけローズが人間的に魅力がなかった。と、いうことだろう。公務員(笑)にコネ以外の何が期待できるのか。と、いう感じだろう。

まぁ、この1年で何をしてきたの?と、聞かれて、毎日ヤフーニュースを見てました。と、いう人間を採用したいと思うはずがない。

新卒の採用は、何もできなくても「将来に期待して」採用をすることがあるが、中途の採用は、基本「今までにしてきたこと」から「将来何ができるか」を大事にするので、そもそもフィールドが違いすぎるのだ。

あれ?これってもしかして一生転職できないんじゃない?と、思っていた矢先、ローズは次の就職先となる企業に偶然めぐり合う。