私の新人時代(19)

予備校・学習塾の運営は、メイド喫茶の運営にかなり似ているな。と、個人的には思っている。

①お客よりなぜかサービスする側が偉い。

お金をいただく側なのに、「せんせー」と呼ばれる謎の職業。せんせーは、変にへりくだったりせずに、むしろたまには威厳をもって接することが必要。メイドさんとそっくり。

②基本おしゃべりをするのが仕事

本当は、進路相談とか夏期講習の受講相談とかに乗るのが仕事だけど、80%くらいは、ほとんど生徒とどうでも良い雑談をしているだけの簡単なお仕事。お給仕よりも会話メイン。生徒の話をただ頷いていればOK。

③定期的にイベントをする

集客の為にイベントを企画立案する。ハロウィンは、仮装することもあるし、お菓子配るし、お正月特訓とかでお汁粉・お雑煮出したりもする。小さい塾だと、受験お疲れさま会で、コントをしたり、ダンスをしたりもする。教室長の裁量でわりとめちゃくちゃする。

④お客さんから手紙とかお菓子もらっちゃう

見事志望校に合格させても、させなくても、生徒から感謝の手紙とかもらえちゃう。あと修学旅行とか、卒業の時期になると、死ぬほどお土産・差し入れくれるのでお菓子が食べきれない。医学部だと、100万円とか渡して来ようとする。受け取るかどうかはあなた次第。

⑤お客さんとの恋愛禁止

恋愛じゃなくても連絡先交換禁止。イケメン・美人の先生は普通に生徒から連絡先を渡される。渡されない人は残念。実力主義

⑥勤務が遅い・サービス残業が多い。

基本学校が終わってからのサービス開始なので、22:00に閉店しても、事務作業してから帰ると24:00近くになる。仕事終わってからのサービスと同じ。質問対応とかも特に報酬はない。そして、生活リズムが荒れる。

⑦事務に集中したいとき、イライラする

本当は勤務時間中に事務に集中すれば早く帰れるけど、目の前にお客さんがいるとなかなかできない。でも、内心粘着しまくる生徒には塩対応をする。

2chで叩かれまくる

当然各校舎ごとの掲示板があり、生徒に厳しい対応をすると嫌われる。「ローズ氏ね」と、書かれまくり、一部の生徒から心配をされていた。

⑨自分は実は仕事をしないで人にやらせる

ここだけちょっと運営側になるが、「授業」は、講師がする仕事なので、実は自分は何もしない。人の努力をかすめ取るだけの簡単なお仕事。女の子に面倒な仕事を押し付けて、自分は何もしない運営とそっくりですね。

⑩土日に来客が集中するので、平日休みのケースが多い

普通の人とは、リズムが合わない。だから、友達もいない。

ざっと思いつくだけでも10点あげられる。以上の点から個人的には、メイドさんと教育関係者の相性はいいような気がする。私が知ってるだけでも、3件は、実際に結婚したケースを知っているし。。。

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と、いう感じで新しい職場についたローズだったが、平日休みになった点で、ますますメイド関係にハマるようになっていた。

当たり前だが、今の日本においては、休みは絶対に平日に限る。電車も朝夕を外せばそんなに混雑してないし、日中に遊びに行けば、どこもかしこも貸し切り状態だ。土日にディズニーやユニバに行っても楽しめないように、メイド関係も土日に行っても、群衆の一部となって、機械的に処理をされるだけなのだ。

その反面、通常の仕事をしている友人とは疎遠になりがちである。皆が休んでいる時には働かなくてはいけないので、休みを合わせて会う。なんて、ことはほとんど皆無だからだ。

しかし、そんな必要はローズには必要なかった。なぜなら、土日だろうが、平日だろうが、年末年始だろうが、ローズには、一緒に遊ぶ人などいなかったからだ。

こうして、ローズのメイドライフの第二幕、平日編が続いていく。