私の新人時代~大阪編~(5)

人生で初めての繁忙期は、休日の使い方が難しかった。

一日中働く。と、いうルーチンを繰り返している最中、急に丸一日休んでい良いよ。と、言われてもリズムが狂う。

人間というのは不思議なもので、環境の適応能力が以上に高い。最初は苦しいと思えるマラソンも、一定期間走り続ければ、ランナーズハイになるのと同じような状態が仕事でも起きていた。

なので、ランナーズハイの状態で気分よくなっているところに、休め!遊べ!と言われても、何をしていいのかわからなくなってしまうのだ。遊び方を忘れた受験生のような気分である。

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一度目の大阪異動の時には、ローズは、日本橋以外、ほとんどどこにも遊びに行かなかった。

いや、正確に言えば、名古屋の時も、福岡の時もほとんどどこにも行かなかった。

観光として旅行に来ると色々な場所を巡りたくなるのだが、いつでもいける。と、思うと、まったく観光地には興味が無くなる。人間とは不思議なものだ。

関西の本部がある梅田には、年に2~3回行ったりしたが、それ以外は本当にどこにも遊びに行かなかった。

だから、箕面や、茨木などの北摂は、もはや単語すら知らなかったし、阪急や阪神電鉄の違いも分かっていなかった。

ローズが唯一知っていたのは、御堂筋線のなんばから梅田に行くルートのみである、あまつさえ、梅田からの帰りは、どうやって御堂筋線に乗ればいいのかわからないので、同僚の人にアテンドしてもらっていたくらいの地理の把握状態だった。

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そんなローズの休日は、朝早くから日本橋のゲームセンター「アテナ」に行くのがおおよその始まりだった。

休日といっても、朝早く起きる習慣がついてしまっているので、寝ようと思っても、ついつい起きてしまうのだ。

そんな中、朝7時からやっているアテナは最高のお店だった。

そのあとは、ポンバシ界隈のお店を巡ったりはせず、基本的に通常のマッサージ店に行くか、目につくたこ焼き屋さんを片っ端から食い倒れまくった。(※最近食い倒れってあんまり聞かないような)

関西の人にはわからないかもしれないが、大阪のたこ焼きはとにかく美味しい。そして、安い。さらには、個人でのたこ焼き屋さんの数が多すぎる。

個人的にお気に入りだったのは、アンダンテ近くにあった新選組たこ焼き屋さんだ。今は、メジャーになってしまったが、当時としては珍しい、塩たこ焼きにいたくはまっていた記憶がある。

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もうひとつハマっていたのは、普通じゃない?マッサージ屋さん。いわゆるメイドリフレを、関西でも最初は喫茶店よりも足しげく通っていた。

とは言っても、実際に通ったのはメイド系ではなく、大正浪漫の足湯屋さんという、何故かガチで天然温泉を取り寄せて、メイドさんと(足だけ)混浴できるという一風変わったお店だった。

そこにたどり着くまでに、ポンバシのおおよそのリフレ系は確かめてみた記憶があるのだが、最終的にそこに通うことに決めたのは、純粋に「店」としてのレベルが高かったからだ。

一時は2号店も出したらしいそのお店は、おそらくオーナーなのか初期メンバーの意識の高さなのか、お客さんに対しての挨拶・態度がとてもとても素晴らしかった。

そして、当たる女の子すべてがレベルが高いな。と、思ってはいたが、今度はローズは東京での経験を反省?して、好きだと思った女性を、今度はとにかく集中して指名をするように戦略?を変更してみた。

日々改善・トライアル&エラーがモットーの向上系ご主人様のローズ氏。社会人としてではなく、ご主人様としても成長していく彼に、運命の女神は果たしてどのような結末を用意したのだろうか?