私の新人時代~大阪編~(7)
初めての繁忙期の結果は、入会率が約65%くらいだったと記憶している。
たしか110人くらい担当をして、70人くらい入った。みたいな感じだろうか?
全体の規模からすると、20%に満たない入会数だが、担当順としては、3番手だったし、初めての説明会担当にしては、まずまずの結果だったのではないだろうか。
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コンプレックス産業の説明会は、実に単純である。
例えば、ハゲている人がお客さんだったら、①あなたはげていますね。(無料診断会などのデータをもとに)
②ハゲている人は女性にもてないというデータがあります。
③特に、晩婚化の今の時代、生涯未婚の男性は20%にものぼっているようですよ。
④でも、大丈夫。うちの商品を使えば・・
と、いう感じで、相手のネガティブな未来を伝え不安な気分にさせ、それを解決できるのは、うちだけですよ。と、押し込めばいいのだ。(ちなみにソリューション営業ともいえる)
これは、ダイエットなどのジムでも良いし、これから夏を迎えてムダ毛が気になる女性でも良い。とにかく相手を不安にさせることがポイントだ。
これは勉強も一緒である。
今の時代、大学くらい出ておかないと。
高卒と大卒の生涯賃金の違いは・・・。
将来収入が低いと、好きな人と結婚もできないですよね。
とりあえず良い大学に行けば、何かしたいことがあったときやれる確率が増えますよ。
でも、このままじゃ志望校、受かりませんね。
など、適当なことをのたまえば、基本的に、一定の確率でお客さんは入会する。
・・・が、
私の会社は、一切そんな手法はとらなかった。
もちろん、ケースによって使う場合もあるが、そんな不毛な提案をするのではなく、とにかく「相手のために」なる提案をすることが信条だったので、数字は大事だけど、何が何でもだまして入れろ。などということは言われなかった。
楽しいこと。ポジティブなことで、とにかく前向きになれるスクリプト(台本)が、実に優秀だったな。と、思う。
後にいくつかの企業を回ることになるが、本当に素晴らしい会社だったと思う。(※ひとつのマネジメント手法だったとしても)
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3月から激動の毎日が始まり、授業がスタートする4月中旬くらいになると、教育業界は一息つく。3月後半くらいには、テンションも高く頑張れるが、4月も中旬を過ぎてくると、疲労がたまり、GWの時期には、ほぼ抜け殻のような感じになっていた。
教育業界は、別に春だけが忙しいわけじゃなく、5月に入っても夏期講習の準備やらなにやらで、常に忙しい毎日を過ごしていたが、繁忙期よりは、少しは時間が取れるようになっていた。
東京のころと比べて、大阪でひとつ変わった点が、「朝シフト」になったことだった。
予備校は、おおまかに分けて2つのシフトがある。
朝から夕方にかけて授業をする「浪人生対応の朝シフト」と、夕方から夜にかけて授業をする「現役生対応の夜シフト」だ。
朝シフトは、8:00~17:00。
夜シフトは、13:00~22:00
が、通常のシフトになるのだが、基本的に、朝シフトの方が好ましい。
夜シフトは、他の人とずれた時間を過ごせる。と、いう良い利点があるが、強い気持ちをもって、自分をコントロールするのは難しい。
夜シフトでも、朝に早く起きてその時間を有効活用できればいいが、ついつい朝は寝てしまうし、その分夜遅くまで起きてしまって不健康になる。
ただ、夜シフトについては、手当が月に1万円ほどつくので、朝隊は、その分収入が下がってしまうのだが、この朝シフトになることによって、いつでもコンカフェに通えるという環境が生まれたのも、ひとつの幸運だと感じる。
しかし、逆を言えば、数多あったポンバシのコンカフェのどこにでも通う可能性があったということでもある。
果たして、ローズがポコスターLv1に通うきっかけとは何だったのか?