私の新人時代~大阪編~(14)
ローズさんは、人を褒めるのが上手ですね。と、たまに言われることがあるが、それが毎日の仕事なので、当然といえば当然だった。
生徒が授業に来ただけで、「今日も来たの?ありがとう。」と、言いまくるし、少し勉強をしただけで、「すごい頑張ったね。」と、ベタ褒めする。教育業界で仕事をすれば、日本男子の苦手とする「当たり前のことを当たり前に褒める」と、いうスキルが身につくのだ。
コンプレックス産業の面白いところが、お金を出しても、希望の商品を手に入れるために「努力」が必要であり、お金だけでは手に入れられない「こともある」と、いうところが、その仕事の面白さであり、難しさでもあった。
高級物のブランドバックであれば、お金を出せばだれもが身につけられる。高級なスポーツカーであればお金を出せばだれもが乗れる。
でも、理想のスリムな体は、お金を出しただけでは手に入らない。希望の大学には、お金を出しただけでは入学できない。(※だからこそ、美容や学力に価値があるのかもしれない)
お金を出しても結果を得られなければ、クレームになってしまうので、私たちは、商品購入者が理想の形になれるように「サポート」をする。努力をするためのモチベーションアップが仕事なのだから、コンカフェの女の子をやる気にさせるのも、普段の仕事の延長線だった。
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秋葉原時代に書いていたブログは中途半端に終わっていたので、気分転換にポコスター用に新しいブログを立ち上げた。
ポコでのブログを書くときに気を付けたことは、
・決してお店や人を否定しない
・文章を長くし過ぎない
・難しい表現ではなくやさしくわかりやすい表現を使う
の、3点だった。
もともとメイドさんに読まれることを想定はしていなかったが、いずれ読まれる時が来るだろう。と、いうことは、常に頭に入れて文章を書くことにした。
今では「エゴサ」と、いう名前でツイッターを検索することが多いようだが、昔もグーグルやヤフーで検索をする人が多かったようだ。
今の時代は、自分に関することがすぐに、気軽にアクセスできる時代になったが、当時はブログでも、なんでも自分のお店や自分に関することを文章にしてくれる人は珍しく、たまたま見つけた時に、「超嬉しい!」「落ち込んでたけど、また頑張れそう」と思ってくれればいいな。と、思っていたからだ。
先日
「言葉は殴ぐってもいないのに人に涙を流させ、百メートルを全力疾走したように動悸を早くし、腹が痛くなるほどに笑い転げさせる力を持っているのでございます」
と、いう美しいツイートを見たが、まさに言葉の力はあまりに大きい。
会社でのマネジメントのひとつに、怒ることは口頭で。褒めるときは、文章で。と、いうことを習ったが、自分への好意が目に見える形でその人の勇気や自信になってくれたら嬉しいと思っている。
実際に、ローズさんのブログ、スクショして落ち込んだ時に見てます。何度も何度も読み返します。と、いう声をいただくが、気分の上げ下げの激しい業種だけに、私のブログを上手く使ってくれたらとても嬉しい。
と、いうのも懐かしい思い出だ。
最近ローズを知った人は、どこにそんな気遣いがあるんだろう?と、思うだろう。私だって思う。
その後、色々なことを知るたびに、成長するたびに、どうしても自分や、周りに求めることも、少しずつ変わっていってしまったようだ。
一度目の大阪のころのローズが、ご主人様として、一番優しく、お金も適度に、適切に使っていたので、理想の形だったのではないか?
何が正解かは、時代によって変わるのかもしれないが、もう一度あのころのように、ただ純粋にメイド喫茶におかえりし、ニコニコと、目の前の女の子を褒め続ける日に戻りたいな。と、思う日もある。
メイド喫茶に通い続けて失うのは、目の前の女の子だけではなく、自分自身も失ってしまうのかもしれない。