私の主任時代~名古屋編~(3)

3回目の説明会担当のシーズン。今年こそは昨年達成できなかった、入会率70%・入会数100人が目標だった。

入会数=説明会担当数×入会率なので、どちらかの率を高めるしかない。ローズの営業戦略は、質を高めるよりは、数をこなすほうなので、とにかく説明会の数を多くすることに努めた。

現役生担当に戻ったので、出勤は13:00~22:00のシフトなのだが、自発的に朝10:00に出勤して、朝早く訪れる顧客を狙っていった。

先に結論を言ってしまうと、この年は、入会者数120人・入会率69%で、惜しくもダブル達成はできなかったが、おそらく校長を除一般職では、最多数に近い入会者を達成できたのではないかと思う。

名古屋という市場は、正直、めちゃくちゃ商売をしやすい土地柄である。まず、トヨタというグローバル企業があるので、そこから発生する末端の中小企業までの潤いが半端ない。名古屋のコンカフェが押しなべて高額なのに流行っていることもうなづける。

また、トヨタという城下町のせいか、上から言われたことを素直に従う癖を持っているような気がする。

お上のやることに間違いない、言われたことは素直に従うべきだ。と、いう風土があるのか、こちらの言うことをすんなり受け入れてくれるので逆にこちらが驚く。

当時の会社は変わっていて、個人の成績どころか各事業所(校舎)別の数字すら身内に公表されていないので、およその噂話でしかないのだが、名古屋は他の地域と比べて入会率が高い様だ。

最初に述べたように、修羅の国大阪と違い、クレームも少ないし、まさにウルトライージーモードの環境なのである。

個人的には、追い風参考記録的なイメージではあるのだが、とにかく自分のキャリアハイとなる記録を出せたことは一安心できた。

ところが、名古屋での苦労は、営業的な側面よりも、むしろ運営面だった。

当たり前だが、教育業は、入れた終わりの売り切り型のサービスではなく、入れることがスタートであり、入れれば入れるほど管理のコストが上がっていく。

しかも、教育・育成面を考えると、今度は自分がすべてやればいいのではなく、自分ができることを、わざわざ自分以下の人間にやらせなければいけないという、初めての感覚に立ち向かわなければなかった。