私の主任時代~名古屋編~(5)

カレー曜日。と、いう言葉がある。

これは、主に海上で生活をしている海軍の人間たちが、変わらない景色の中でも、曜日を把握しやすいように毎週金曜日にカレーを出していたことから広まった言葉らしい。

同じように、毎日休みなく働いていると、曜日の感覚がなくなってくるのだが、私は毎週月曜日に販売されるジャンプを目安に、1週間を感じていた。

忙しさのバロメータは、次のジャンプが発売されるまでに、すでに発売されたジャンプをすべて読み切れるかどうかで判別できる。

少し冗談めいた話だが、本当に忙しくて追い込まれると、あれだけ好きだったジャンプをすべて読むことができず、次のジャンプが発売されてしまうのだ。

1週積みならまだいい。それがさらに重なり2週・3週と積み重なると、もはや毎日ジャンプが発売してるのでないかという錯覚に陥り、まるで働いても働いてもタスクが積み重なるテトリスのような気分になるのだ。

ゲームオーバーギリギリのところで、次に見えるテトリスのブロックを執念で回し続け、奇跡としか言いようのない運営は、自分で言うのもなんだが神業としか思えない。

誰もほめてくれないので、自分を自分で褒め続けるメンタル力も、社会人として必須の能力だろう。

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名古屋の繁忙期の生活は、おおよそ2時から5時の間に帰宅して、10時に出社するという生活だった。

新人に研修してほしかったら、通常業務が終わるのが、24時過ぎになるんだから、25時からでいいか?などと言っていたのだから、今思えば、完全にイカレた会社であり、キチガイの上司だっただろうな。と、思う。

28時まで研修に付き合うのも、愛情といえば愛情ではあるが…。

そんな一般世間から外れた生活も、会社から自宅まで自転車で約10分の家に住んでいたからこそ、成り立った。

名古屋駅前からそんな距離で住んだら、家賃が高いだろう。と、思うかもしれないが、名古屋は西口になると、途端に地価が安くなる。

新幹線が止まる駅でも、自転車で10分も行けば、ほぼほぼド田舎であり、地価が異常に安いのだ。

大阪の時には狭い部屋に住んでいたのだが、何を思ったのか、名古屋に引っ越した時に、大きな部屋を借りてしまった。

名古屋での住まいは、4畳近いベランダが最大の特徴であり、暇があったら、ベランダにデッキチェアでも置いて、漫画を読みながら日光浴でもしよう。と、ひそかに思っていた野望は、結局実現することが無かった。

40㎡ないくらいで、家賃6万円だったろうか?部屋の広さだけじゃなく、部屋のきれいさもかなりのもので、どちらかというと、女性の方が住人として多かったのも印象的だった。

結局、ほとんど会社かメイド喫茶にいるだけだし、おまけに一度も誰も部屋に上がらせなかった部屋だが、体力の回復にはそれなりに効果があったらしく、ローズの繁忙期は、3月になっても終わりを見せず、4月へと続いていく。。。