飛雄馬は、どんとはいけない話

と、いうことで私が漫画が大好きだ。
という説明をしたので、続けて漫画の話。

先日は、巨人の星が一巻100円だったので、
思わず大人買いかましてしまいました。

最近は、キリンレモンのCMキャラにもなってるし、
世間での知名度も高いことからみなさん巨人の星については、
なんとなく知ってるかもしれませんが、
この漫画ってめちゃくちゃどSな漫画ですよね。(笑)

みなさんが持ってる巨人の星のイメージは、
雄馬が子供の頃に父親から超英才教育を受けて
超すげぇピッチャーになって、目の前に現れるライバルを
ばったばったとなぎ倒していく。
っていうイメージでしょうか?

確かに巨人の星の前半のイメージは、
こんなところで合っていますが後半のプロ編は、
考えることが出来ないくらい残酷な仕打ちが待っています。(笑)

子供のころから厳しい父親に鍛えられ、
血がにじむような努力の末に子供としては異形の力を手に入れた飛雄馬

高校時代はその力により華々しく活躍し、順風満帆でプロ入りしたものの、
プロに入ったとたん飛雄馬は、投げる球が軽いという
プロとしては致命的な弱点をさらけだしてしまうのです。
(※球が軽いとは、打てばホームランになりやすいみたいなもので
  要するに見た目だけすごいけど中身はないよねーって意味です。)

幼い頃から普通の子供が味わえるはずの喜びを知らずに
一心不乱に頑張ってきた結果がこんなだなんて酷すぎる。(笑)
しかし、実はここから先のほうがもっとドSな展開が待っています。

もはや普通の投げ方では通用しないと悟った飛雄馬は、
苦肉の策として普通の人が投げないような魔球
いわゆる「大リーグボール」を1号から3号まで開発します。

大リーグボールは、
雄馬が自己の才能で自然と生み出されたものではありません。

プロの選手として生きていくために、
しかたがなく生み出された彼の生きる手段なのでした。

しかし、残酷なライバル達は、
雄馬が一生懸命生み出した大リーグボールで
プロの世界で活躍することを許してはくれません。

高校時代からのライバルの花形が、左門が、
高校時代は味方だったはずの伴が、
そしてあげくの果てには、自分の父親までもが、
雄馬の生み出した大リーグボールを打ち砕こうと
彼に勝負を挑んでいくのです。

大リーグボールを作るために
毎回血のにじむような努力をする飛雄馬

ところが、信じていたはずの親友や父にさえ
裏切られてしまう彼はすっかりねじ曲がった性格になってしまいます。
作品中の彼の台詞は主人公とは思えないネガティブぶりです。

「所詮、プロ野球をやる器ではない。非力なチビがスパルタ親父に叩かれ、
無理を重ね限界を一日伸ばしにしてきたが、もう限界だ」
「大リーグボール一号だの消える魔球なんて、考えてみれば野球の邪道だ。堕落だ」
「でっかいヤツが力の限り投げ込む。ボールをでっかいやつが思い切りぶったたく」
「俺は野球をバッテリー間の小手先だましの手品に堕落させた。
 タネが割れてもまだ舞台にしがみつく手品師はピエロに成り下がる。
 その名は飛雄馬
「ふっふふ。プロ入り以来、手品師とピエロを往復しながら野球をやってきたが、
 俺の青春に野球は何をもたらしたか」
「父親は敵。親友も敵。行方不明の姉。いや、損得勘定なんかどうでもいい」
「とにかく疲れた」


ひゅうまぁああああ。生きろぉおおおお。(笑)

まさしく元祖ネガティブ主人公ですね。
あぁ。かわいそうな。飛雄馬。(←あきこさん風・笑)

辛いことがあったときに巨人の星を読むと
自分ごときの苦労なんてたいしたこと無いんだなぁ。
って思えるくらいの残酷さです。

皆さんも機会があれば是非一度読んで下さい。
涙を流すことを禁じ得ない一品です☆


今は、はっきりとは目に見えないけれど。
戦国時代はいつの世も続いてるんだねっていう。

そんな話。