心が十分足る理由の話

何故か昨日の深夜から続く漫画ひとり語り。
昨日の勢いに引き続いて本日のご紹介は、
江川達也先生の「まじかる☆タルるートくん」をご紹介♪


まじかる☆タルるートくん
集英社週刊少年ジャンプ』1988年49号から1992年40号まで連載された人気作。
魔法使いのタルるートの可愛らしいキャラが大人気で、テレビ朝日でもアニメ化されている。

内容は、ドラえもんを現代風に作り変えた感じで、
内気でダメダメな主人公が魔法使いの登場によって、
人生が変わっていくギャグ漫画とでも言えばいいのでしょうか?


ただし、次の2点でドラえもんとは大きく異なります。

ひとつは、ギャグの構成が非常にレベルが高い事。
ドラえもんよりもギャグを全面に出していて、
漫画ならではの表現を多彩に使っています。
画力も高く絵的な面白さが十分味わえるのは良いですね。

また、ギャグの作り方も非常に正攻法で、
ひとつひとつの笑いを着実に積み上げた、
実に理にかなった笑いを作り上げてるところも良い。
コントでいうならば、アンジャッシュに近いかな?

読んでいてある程度予想される予定調和の笑いですが、
非常に基本に忠実なので何度読んでも楽しめるといえるところが
オススメです。


次に、ドラえもんと違う点は、
「魔法」というものが「秘密道具」ほど強力じゃないという点です。

江川達也自身が語っているのですが、
タルるートくんは、ドラえもんのアンチテーゼとして
意識した作品らしいです。

読んだ人はわかると思いますが、確かにその通りだと私も思います。
ドラえもんの「秘密道具」というものは、
問題解決の「手段」として利用されていますが、
タルるーとくんの魔法は、あくまで問題解決の「手助け」でしかないんです。

タルるートの魔法は、実は10分しか時間が持ちません。
この設定にこめられた真意は、
魔法による解決は一時的な問題回避でしかなく、
本当の問題解決は、特別な何かに頼る事じゃなく、
あなた自身の努力で解決しなくちゃいけないんだよ。
的な内容をどうも言いたいらしいです。


ま、多少好意的に解釈してるところもあるけれど、
実際これは現在の社会においても痛感するよね。
どれだけ機械や道具の技術が進歩したって、
それを使う人間自身が変わらなければ、
結局は何にもならないんだからね。


タルるートくんは、
他にも社会における因果応報的な教訓や、
東洋哲学の禅の思想みたいなのも入ってた気がします。

また、「死」という問題にも独特の視点で、
真面目に面白く表現されてるのは興味深いです。
大人になって見返すと新しい発見がたくさん。

他にもちょっぴりエッチなシーンも入ってたりで、
まさしく、タルるートくんは、「努力」「友情」「勝利」の
理念に完璧ぱーふぇくつな作品だったよなぁ。


上に述べた紹介は、ちょっとむずかしめに言ったけれど、
実際読んでみれば難しいことなんか微塵も感じさせないくらい、
ギャグの面白さがあるので、子供から大人まで誰にでも勧めたいです。

しかも、魔法使いのタルちゃんのかわいいことかわいいこと。
現代でも、流行らせようと思えば流行りそうだけどね。


昔の人は、どんな話をしていても。
どんな行動を取っていてもその背景には、
人生に関する「生き方」みたいなものが見えてた気がします。

自分のブログもそうだけど、
その語り口の内容があまりにも薄すぎて恥ずかしいです。

人に何かを伝えるには、惹きつけるには。
もっともっと経験を積まなくちゃいけないと実感するような。

そんな話。


僕のした単純作業が〜
この世界をまわりまわりまわって〜♪