手に入れた免罪符

べしゃり暮らし13巻/森田まさのり

「表情」として圧倒的情報量。

みんなが想像する「実在する話」に

いくつか複線を絡ませてのイメージの増加は、

視覚だけでなく様々な5感を刺激しながら

見るものを特定の世界観に誘い込む。

この漫画がすごい。

で、絶賛されてしかるべき名作!!

標題になった話については、

別にお笑いの世界に限らないので、

見ていて若干心が痛みますね。

人の評価というのは、不安定なものです。

限りない日々の生活のすべてに誰が正確な評価を

下せるというのでしょうか?

自分自身で扱えない自己のイメージと、

本当の自分とのギャップに苦しむ姿は、

「ネット」というメディアが加速する現代においては、

もしかしたら大変な病のひとつかもしれませんね。

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今日読んだその他の漫画

ミスター味っ子Ⅱ/寺沢大介

数多ある2世作品の中では、

もっとも「新しい価値観」を盛り込んだと思います。

単なる「頭で食べさせる」

奇想天外かつ論理的なグルメ作品から、

「食」と「職業」を現代風に切り込んだ

実に興味深い作品でした。

料理を愛すれば愛するほど

目の前のお客さんが求めるものと

乖離してしまう孤高感は、職人の宿命ですね。

「心」と「技術」

世の中はすなわちつまり矛盾していくことで

ゆれながらバランスを取るしか無いんですね。

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○リアル11巻/井上雄彦

圧倒的クオリティ。

高校生の道徳の教科書に採用したら良い。\(^o^)/

べしゃり暮らしと同様

情報量の多い「絵」に加えて、

主人公の心情を過去・現在・未来の

エピソードを織り交ぜて細かに積み重ねる手法は、

とても地味だけど効果的だと思います。

「絶望」できることは幸せなことですよね。

今、出来ることを何度やっても変わらない。

今、出来ないことを出来るようにするから世界が変わる。

いつでも「何か」のせいにしてたら変わらない。

「いつのキミが本当なんだ?」