私の新人時代(4)

そんな感じで10年経っても、いまだに初めての職場の悪口は絶えないローズだが、休日に何をしていたかというと、まだ秋葉原にはたどり着いていなかった。

秋葉原まで出るのに約40分前後?別に秋葉原以外にも、新宿なり、池袋でも行こうと思えば行けるのだが、その頃は、妙にエネルギーが無くて、休日にアクティブに行動することはできなかった。

千葉は総武線がメインの沿線で、その中には、船橋や市川や津田沼。と、言ったわりと大きな駅があったので、まずはそのあたりをふらついてみた。

ふらついてみた。と、言っても、特に競馬場に行くわけでもないし、オシャレなショッピングセンター?に用事があるわけないし、その辺の路地を歩いて、おいしそうなご飯を食べるくらいが関の山だった。

あえて言えば、一番はまったのがアイドルマスターだろうか?住んでいた場所にはおいていなかったので、アイマスをやるために、船橋に通っていたのだから、今となっては、そのしょぼさに笑えるとともに、仮に黎明期のAKBを知ってしまったらはまってたのかな?とも、思う。

外出以外にしていたことといえば、自動車の免許を取得したのが一番の思い出だ。正直、都会に住んでいる分には、自動車なんて必要ないと思ってたし、必要になっても都内では駐車場が4万前後するので車を所持できるわけないだろう。と、思って免許は取っていなかった。

あとは、自分自身に課した謎のルールで、30歳になるまでは、バイク・車を利用しない。と、いう自分ルールがあったのも、学生時代に免許を取らなかった理由だ。

しかしながら、お金にも若干の余裕ができたし、やはり社会人にもなってツタヤでカードを作る際に、保険証を出すのは恥ずかしい。と、思って、自動車免許を取得することにした。

自動車免許は、普通に一度も落ちることなく取得できた。まぁ、運動神経が悪いわけでもないし、学科試験にも落ちるわけがないので、当たり前といえば当たり前だが。

自動車免許を取得したが、その後は30歳になるまでに、おそらく2回くらいしか運転をしていない。運転をしていないので、当然ながらゴールド免許で、無事故無違反の優良ドライバーだ。

最近は30歳を過ぎたので、そろそろ車くらいに乗ってもいいのかな?と、思うのだが、やっぱりどう考えても、車は所持する料金が高すぎるし、何より「自分の足」で歩いている感が無いので、いまだに乗れないままでいる。

よくテレビ番組で、縦列駐車をきれいにとめられる男はかっこいい。的な番組をやっているが、たぶん今運転したら、綺麗にとめられるどころか、たぶんとめられないだろうな。と、思う。

どこまでも、自分の足で自転車で走っていく男と、車でどこにでも送り迎えしてくれる男。今の女性はどちらが好きなのだろうか?

「今」に限らずとも、後者で有ることは自明の理だろう。取得した資格を一切有効に使えないローズ、25歳の休日だった。