私の新人時代~大阪編~(24)
1:1で相手にもてなしてもらえるリフレと違い、お客さんの数より圧倒的に女の子の数が少ないカフェにおいて、お客さんはどう楽しむべきであるのだろうか?
東京ではその理由を解き明かすことができなかったが、大阪では多くの店がその答えを探すために工夫がなされていた。
話は少し変わるが、ポコスターレベルワンは、あんちゃんが店長になったくらいから、中野さんがオーナーになった。
めるるさんが引退をするから中野さんに権利を譲ったのか、そもそも売り上げが良くなかったので中野さんに譲ったのかはわからないが、とにかく中野さんがオーナーに変わって店の雰囲気はガラッと変わった。
メイドカフェにおける商品は、あくまで女の子で、メイドカフェを流行らせるためにはとにかく良い女の子をいかに採用するか、育成するか、辞めさせないか。に、かかっている。
しかし、市場に出回る人材には限りがあるので、足りない部分は、「システム」でフォローをするしかない。
賛否両論・・・どちらかというと「否」「非」「悲」しか聞こえてこない中野さんの評判だが、私は非常に優秀な人だな。と、ポコの時代から感じている。
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中野さんがいかにすごいか。は、いつか記載をすることにするが、彼がまずポコに導入をしたのは、座敷スペースへのテレビゲーム機とマンガ棚の導入だった。
大阪と東京のコンカフェの一番の違いは、現実感と非現実感の演出の違いだと思うが、大阪のコンカフェはとにかく現実・日常がそこかしこに滑り込んでいる空間である。
例えば、お店にテレビが常設されており、昼間に吉本新喜劇や笑っていいともが流れている姿は、どう考えても「コンカフェ」としてはふさわしくないかもしれないが、仲良しが集う「場所」としてはとても安心できる場所だったと思う。
みんなで集まって、金曜ロードショーでジブリ系のアニメを見たり、話題の韓流ドラマを見たりするスタイルは、お客さんも飽きることが無いし、女の子も少ない人数で相手ができるので仕事をしやすかったと思う。
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テレビなどに興味が無い人も、話題の漫画がそろったマンガだなから好きな漫画を読めばいいし、仲の良い友達同士で、マリオカートで盛り上がっても良い。
最近のコンカフェは単価を上げて、女の子が接客する機会を増やしており、それは戦略としてひとつの正解ではあるけれども、漫画やテレビやゲームに「接客」をさせるというスタンスもまた面白い正解の形だと思う。
むしろ、女の子に色恋営業をさせる負担もないし、お客さんも多くの金額を負担する必要もないし、何よりお互い自然で楽しい関係を築けていたので、長期的に継続できる営業スタイルではないだろうか?
東京の資本主義とはまた違った、大阪独特の発展を遂げてきた日本橋も、最近は、チャージを導入するお店が増えてきて、なんだか少し寂しく思う。
お客さんの金銭負担が増えたことが悲しいのではない。金銭は別にいくらかかってもいいのだが、女の子とお客様の個人的関係性が増え、みんなでわいわい気軽に騒げる場所が減ってしまったことがなんとも寂しい限りだと思うのである。
最近は、今の時代にいまさら?とも、思えるくらいコンカフェが増えているが、「みんなが楽しめる」というコンセプトを持ったお店があればいいのにな。と、難しいとは思いながらも、個人的にはこっそり待ち望んでいる。