私の主任時代~名古屋編~(11)

やりやすい生徒をすべて割り振ったあとは、厄介な生徒をいかにしてグリップできるか?を、もとに割り振っていった。

サクラさんは、生徒受けは抜群なのだが、父親が弁護士・医者など論理的に詰められるパターンが苦手なので、保護者対応に手間がかかる生徒をすべて自分に割り振っていった。※こういう父親に対してはすべての発言に対してエビデンスやデータを開示しないといけないので、一回の面談で死にたくなる。あと、入学時にうかつなことを言うと結果が出なかったときに死ぬ。

逆に、低学年の女子生徒については、基本的にサクラさんに割り振っていった。

これは、私の経験上の勘なのだが、高校1年生・2年生までは、基本的に同性の担任を割り当てたほうが上手く行く。逆に高3になると、逆の異性を割り当てたほうが上手くいく。

なぜなのか?と、いうのは上手く言語化できないが、おそらく単純に男性・女性としての特徴を相互で保管することの重要性を、高3くらいになると受容できるのではないか?と、いう感じである。

逆に高1・高2くらいの年齢だと、まだ精神的に未熟なのか?お嬢様学校の生徒などは、担任や指導する先生を「女性」で指定することもある。

なので、教育業界においては、「女性」の担任や教科指導ができる人材は、非常に重宝する。

そもそも営業やサービス業界において、「男性」を指定するケースは非常に少ない。男性が苦手な顧客は、女性で満足するし、どちらでも構わない。と、いう顧客でも、基本女性の方が愛想がよくコミュ能力も高いので、受付・営業などには、女性の力が確実に発揮できる環境だと思われる。

「営業」というと、昭和的なハードなイメージが付きまとうが、今は時代も変わったのだから、女性らしさと最新技術を活かした、新しい営業の形もあるのではないかと常々思う。女性の仕事の代表みたいな、事務やお茶くみの仕事で彼女たちの魅力を殺すのはもったいない。そういう意味では、地下アイドルやコンカフェ店員は、女性の活躍の場を広げているだろう。

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おおよその校舎であれば、こういう割り振りであれば完結するのだが、名古屋ではここで困ったことが起きた。

女子生徒を基本的にサクラさんに割り振るつもりが、そんなことをしたら全然生徒が割り振れない・・・。

土地柄なのか、名古屋はめちゃくちゃ女子生徒が多かった。私立の女子高が多かったからだろうか?南山・淑徳・椙山・金城と名古屋はお嬢様学校が多い。お金がかかる私立に入学させておきながら、入学後もさらにお金がかかる予備校に通わせるのは、公立の生徒ではなく私立の生徒である。まさに格差・・・。

ただし、男女比で言えばそもそも、学習塾・予備校に通う性別は、基本的に女子生徒の方が断然多い。

男子は基本馬鹿なので、「俺、本気出せばできるし」「予備校とか通うのダサいし」みたいな考えを持っているので、コツコツ頑張ることができない。

逆に女子は、言われたことは基本的になんでもその通りやるし、真面目だ。ノートの取り方を想像すればわかるだろう。汚い字でまったくまとまりの無い男子と、色とりどり、綺麗にまとめられた女子のノート。これが、性別の特徴を表してるように思える。

なので、おおよその学習塾は、6:4から多くても7:3くらいの男女比になるはずだが、名古屋の高1・2の場合は、8:2から9:1くらいの割合で、女子生徒になっていた。

これにはほとほと困った。高3くらいの女子なら、私のうわべだけのロジックでなんとか騙すこともできるのだが、高1・2くらいの女子には私の話は、少し難しすぎる。

もしも私が超絶イケメンであれば、高1・2の女子生徒も扱いやすいのだが、残念ながら生まれ直している暇はない。

仕方がないので、高1・2の女子生徒を100人以上自分で担当する覚悟を決めた。高3などのその他の生徒を含めれば、およそ200人近い担任を持つことになる。

不安はまだまだ尽きることが無いが、ひとまず春の入会~授業準備を終えたローズは、2011年の繁忙期を乗り越え、いよいよ大須へと向かっていくのであった・・・。